大切な人
優がそう言った瞬間、みんな驚いて優を見た。
普段、何をかんがえてるかわからないから、まさか同じ気持ちだと思ってもいなかった。
「ってことは…、全員同じ人を好きになった……ってこと…?」
薫がそう言うと、みんな苦笑いをした。
「じゃ、じゃあ!ぬけがけなしってことにしようっ!!」
「おっ!それいいなっ!」
「僕も賛成~!」
俺の提案に、みんな賛成してくれた。
そして、笑って指切りをした。
小さい頃から仲のいい俺たちは、こういうときが1番楽しい。
みんな……なんだかんだ言って、いいやつらなんだ…。
―― しかしこの約束が、俺たちの波乱の幕開けとなることを、今は誰も知るよしもなかった―――