~最強女総長ageha~
黒猫
~彩香 side~
学校から出てどこへ行くわけでもなく、ただ歩いた。
腕からは血が止めどなく流れている。
いまだに痛みは感じない。
そんなとき…
ドンッ
誰かとぶつかった。
え……?
今あたしは避けた…
なのに、なんでぶつかったの…?
「おい、お前!
ぶつかっといて謝りもしねぇのかよ!!」
は…?
あんたがぶつかってきたんでしょ。
なんであたしが謝んなきゃいけないの。
なにこの人。
理不尽すぎる。
そう思ったあたしは、その言葉を無視して歩き出した。
そしたら…
「おい、どこ行くつもりだよ!!
帰すわけねぇだろ!!」
って言われた。
めんどくさい。
鬱陶しい。
イライラする。
…ってことで、一発入れて黙らせようと思い、手に力を入れて振り返った瞬間…
「なにしてんだ。」
目の前に人が現れた。
後ろ姿だから、背中しか見えない。
でも、確実にあたしが知っている人ではない。
組の人でも、こんな人はいないし…
もちろん、黒蝶にもいない…
この人、誰だ…?