愛してください。
「もう、龍貴はぁ~♪」
甘ったるい声が呼んだ名前は龍貴。
声が聞こえた方を見ていると、
腕を組んで楽しそうに話している
龍貴と女の人だった。
「たく、美咲愛してるぜっ!」
「あはは~♪うちも龍貴愛してる~♪」
『愛してる』…なんて言われた事もないし…。
その前に『好き』も言われた事もないのに。
キスも、手繋ぐことも腕組んだりもした事はない。
でも、私以外の女の人にはできる事なんだよ?
「はぁ…。」
やっぱり、いつ見てもつらい…。
ねぇ、気づいてよ…。