読めない手紙
"蓮祢へ
これは結構簡単だっただろ?
まさか、見つけんのに手間取ったわけじゃねぇよな?
まぁ、ゆっくり探してくれてもいいんだけどな。
3通目を此処に隠したのには、理由がある。
この写真は、俺にとって1番の思い出だからな。
お前もそうであって欲しい。
このときは、俺もまだ餓鬼で。
お前の方が大人に見えた。
お前が、どんどん綺麗になっていって。
他のやつにも笑いかけて。
嫉妬して、どうしたら良いかわかんなくて。
お前に八つ当たりした。
頭冷えても、謝り方もわかんなくて…結局、お前が折れてくれた。
本当に、このときはごめん。
1人になったとき、お前が居ないのが寂しかった。
嫌われたらどうしようか。
ずっと、暗いことばっか考えてた。
でも、お前が頭下げて。
俺も頭下げて。
「ごめん」
声が被って笑いあって。
きっと、これだけは忘れないと思った。
今の俺があるのも、このことがあったからだと思ってる。
もう、泣かせないから。
ここに誓う。
お前は、笑ってる顔が1番だから。"