読めない手紙
「さてと、まずは3通目おわり。」
ヒントに書いてあるのは次で最後。
4通目、勉強。
これは、きっと…
向かう先には本棚。
全部で6段。上3段は教科書や資料集、参考書。
下3段には漫画や小説がぎっしり。
「ここしか、無い。」
間違ってなければいい。
此処じゃなかったら…そんな思いを振りほどいて。
手にかけたのは1段目の1番左の本。
エンジ色のアルバム
表紙には金の文字で
「思い出」
1枚ずつ、ゆっくり見ながら。
学生の頃を思い出して、メッセージが書き込んであるページで止まった。
そこには、もう見慣れた白い封筒。
「やっぱり…」
思わず、顔が綻んだ。
アルバムを開いたまま机において。
手紙を読む。