神様からの贈物


「………………え!?


「だれって……キミこそ……だれだよ!?」




立入禁止で誰もこないであろうこの展望塔の一番上……この町を一望できるココで、彼女はまるで当たり前のようにそこにいた。


そんな彼女に僕は驚きを隠せなかった。




「ココは僕の昔からのヒミツの場所だから……」


僕はこの病院にくると、必ずココに来ていた。




「あと僕はココの患者じゃないよ。僕の父さん、ココの病院で働いてるんだ。その手伝いでね。」


今年高二の夏をむかえた僕は、この夏休みも去年までと同じように、父の手伝いに来ていた。




「じゃあよくここに来てるんだ?」


「よくってほどじゃないけどね。休みになったら手伝うようにはしてるんだ。ほらここの病院、小さいだろ?」




海に面した小さな町。

病院はココ一か所だけ。

人口も多くないし、特になにか楽しめるようなところもなく、しいて言えば、せいぜい海とこの海岸に面した大小様々な無人島と………この町を一望できるココ、ヒミツの展望塔………ぐらいだろう。

いわゆるココはドが付く田舎というやつだ。








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