白雪姫の惚れ薬



「醤油買ってきて?」


悲痛な叫び声を上げるから、何事かと思えば…パシリかよ。

渋々、スーパーへ行って戻ってくると……




「また来てるし。」



玄関には、見慣れた靴。

はあっ。ため息をついて、部屋へ向かった。

















――――………

――……



「これって…」


部屋に戻ってしばらくして、俺はあることに気づいた。

リンゴは、どこだ?

部屋を見渡しても、出ていく前となんら変わりはない。

違うのは……



人のベッドで気持ち良さそうに寝息を立てている、朱李だけ。


「…わざわざ着替えてくるくらいなら自分んちで寝ろっての。」


呆れながらも、布団をかけてやろうと側に寄った。

風邪でもひかれたらかなわない。


「……ん?」


そのとき、ふと気づいた。

こいつ、手に何持って……


「えっ??」

< 24 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop