白雪姫の惚れ薬
「醤油買ってきて?」
悲痛な叫び声を上げるから、何事かと思えば…パシリかよ。
渋々、スーパーへ行って戻ってくると……
「また来てるし。」
玄関には、見慣れた靴。
はあっ。ため息をついて、部屋へ向かった。
――――………
――……
「これって…」
部屋に戻ってしばらくして、俺はあることに気づいた。
リンゴは、どこだ?
部屋を見渡しても、出ていく前となんら変わりはない。
違うのは……
人のベッドで気持ち良さそうに寝息を立てている、朱李だけ。
「…わざわざ着替えてくるくらいなら自分んちで寝ろっての。」
呆れながらも、布団をかけてやろうと側に寄った。
風邪でもひかれたらかなわない。
「……ん?」
そのとき、ふと気づいた。
こいつ、手に何持って……
「えっ??」