白雪姫の惚れ薬



私には、ずっと想い続けている男の子がいる。


そりゃあもう、長い長い片想い。

たぶん、物心ついたときから、ずっと。

でも、向こうは絶対に気づいていない。

意識すらされてないと思う。


私は、ただの“幼なじみ”でしかなくて、

それ以上でも以下でもない。


今は部活に燃えてるみたいだし、彼女を作るつもりはないみたいだから安心してるんだけど……


油断はできない。

本人は気づいてないけど、アイツは意外にモテるんだ。



顔だっていいほうだし、

さりげなくやさしいし、

頭だって悪くない。


何せ、バスケ部のエース。


うちの学校のバスケ部はレベルが高いことで有名。

その中で、1年のときからレギュラーなんだから目立たないわけはない。


狙っている子はたくさんいる。

だから、私は毎日気が気じゃない。


さっさと告白しちゃえばいいことなんだけど、見込みはない…し、フラれて気まずくなったりしたら……

りこちゃんとの関係も切れちゃうような気がして……




だって、





芯ちゃんは、


りこちゃんの弟なんだよ?



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