白雪姫の惚れ薬


自分も十分子供のくせに……


思いながらも、ただその迫力に圧倒されていた俺に、


「よし、決めた!」


姉ちゃんは、自信満々に宣言したんだ。


「将来、私がそれを実証してやる!絶対に作ってやるぞ。“白雪姫の惚れ薬”!」


仁王立ちで、びしっと宙を指差すその姿は、自信とやる気に溢れていて……

じいちゃんそっくり。

子供ながらに、そう思った。


「できたら、一番に芯に使わせてあげるからね?」


にっこり笑ってそう言ったけど……
考えたら、それって“実験台”ってことだよね?


「よーしっ!それを目標に頑張るぞーっ!!」





……冗談だと思ってた。

いや、忘れてると思ってた。


いくらなんでも、

大人になれば、気づくと思ってた。


そんな突拍子もない夢物語。



なのに……


現実にしちゃったわけ??


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