嘘と秘密と僕らの関係
朔は、双子の弟だ。
“郁也”と“朔也”
名前こそ似ているものの、他はまるで違う。
見た目も性格も何もかも。
あの通り、愛想のカケラもなくて、無口で冷めてて一匹狼の朔。
それとは真逆の俺。
自分で言うのも何だけど、愛想を振りまくのは得意だし社交性は抜群だと思う。
誰とでもすぐに仲良くなれる。
人の集まるところが大好きだし、ひとりでいるのは大嫌い。
まるで月と太陽くらい、正反対の俺たち。
初対面の人は、双子だなんて気がつかないだろうな。
“父親似”の朔と、
“母親似”の俺。
外見的にも、全く違うから。
悔しいけど、明らかに朔のほうが“いい男”だ。
涼しげな目元に、スッと通った鼻筋。薄い唇。
“女受け”する要素を兼ね備えている。
かなり、モテるらしい。
俺はと言えば、
不細工というわけではないけど、どちらかと言えば“女顔”だし、
この性格も手伝ってか、女の子には「お友達でいましょう」と言われるタイプ。
双子と言っても、こういうケースだってあるんだ。