嘘と秘密と僕らの関係
「はぁ――っ」
玄関に入るなり、思わずその場にしゃがみこんでしまった。
「……疲れた。」
思わず漏れるため息。
我慢していたものが、どっときた。
立ち上がるのも億劫だ。
郁ちゃんに会った日は、いつもそう。
無駄に体力を消耗する。
今日はパワー不足だったから、余計にひどい。
あーあ…
会いたいなぁ。
くっつきたいなぁ。
会えば、すぐに回復するのに。
ぎゅってしてくれれば、すぐに元気になるのに。
無理…だよなぁ。
電話もメールも、完全に無視だもん。
ホントに私のこと好きなのかな?
愛が足りないでしょ、愛が。
そこまで考えて、
二度目のため息がもれた。