嘘と秘密と僕らの関係

そうこうしているうちに…

インターホンが鳴って、待ち人が来たことを知らせてくれた。


急いでオートロックを解除して、玄関の前で待ちわびる。

足音が止まった瞬間、


「いらっしゃい！」


ドアを開けて飛びついた。


「うわっ…お前、ちゃんと確認してから開けろよ。危ないだろうが…」


バランスを崩しながらも、しっかりと私を支えてくれる腕。


「会いたかったぁ」


そのまま、胸に顔をすり寄せて呟けば、


「……会ったばっかりじゃん」


返ってきたのは、呆れたようなため息と冷たい言葉。


「ほら、とりあえず離れろって。戸締まりもできないし、靴も脱げやしない。」


そう言って私を引き剥がすと、ドアを閉めた。

いつものことだけど、なんでこんなに素っ気ないのかなぁ？

思わずぶすっと睨みつけてしまった。

私の気持ちに気づけ～。

パッと振り返ったから、私の念力が通じたのかと思いきや、


「おばさん、今日も福岡？」


当たり前のことを聞いてきた。

頷くと、


「そっか。」


小さく呟いて、ドアのチェーンをかけた。