嘘と秘密と僕らの関係


うちの両親は共働きだ。

しかも、お父さんは単身赴任中。

仲のよい両親は、連休の度に互いのところを行き来している。

娘のことはおかまいなしだ。


まぁ、私は全然平気だし、そのほうが都合がいいんだけどね。

こうして心配して(?)来てくれる彼氏もいるし、それを口実に朝まで一緒にいてもらえるんだもん。


「お邪魔します。」


誰もいないのに律儀に挨拶をして、慣れた様子で上がり込む。


……泊まってくれるんだよね?

チェーンもかけてたし、いつもはほとんど手ぶらなのにちゃんと荷物もあるし……

って言うか、

帰るって言ったとしても、絶対に帰さないけどね。



「待ってよ~」


さっさと家の中へ進んで行く後ろ姿に追いついて、私はするりと腕を絡ませた。


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