嘘と秘密と僕らの関係



ずっと好きだったから、
つき合えるようになったときは本当に嬉しかった。

その前から周りをうろちょろしていたし、“一番近くにいる女の子”の座は守り続けていた。

離れた時期もあったけど、

そのときは、他の女の子が近づかないように裏でなんとか手を回して切り抜けたし。

もともと人を寄せ付けないタイプだから、そんなに苦労はしなかったけどね。


私は、ある意味“特別”な存在ではあったけど、やっぱり、違った意味の“特別”になりたかった。

“彼女”になりたかった。


でも、
そんな私の想いに一向に気づく気配はなく、どういうわけか、私が好きなのは郁ちゃんだと思いこんでいたみたいで……

友達伝いにそれを知ったとき、私は決心したんだ。


“告白しよう”って。


後のことなんて考えなかった。

なぜか妙な自信があったから。


案の定、ものすごく驚いていたけど……

私を受け入れてくれた。



それがちょうど3年前。


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