嘘と秘密と僕らの関係
「……何?」
じっと見つめていたせいか、怪訝そうな顔で見つめ返されてしまった。
「え…えーっと…」
しどろもどろになりながらも、なんとか誤魔化す言い訳を探してみる。
「あのね、ここ、これがわかんなくて…」
咄嗟に、広げられたまま一問も解かれていない問題集を差し出した。
「どれ?」
呆れたようにため息をつきながらも、それに視線を向けてくれる。
「これ、これ」
言いながら、さりげなく移動してぴったりと寄り添うようにくっついた。
「だから、どれ?…ってお前、明らかに嘘だろ?」
……バレたか。
真っ白な問題集と、不自然なくらいに近すぎる距離。
私の思惑なんてバレバレだよね。
長いつき合いだしね。
なら、遠慮なく突っ走らせていただこう。
問題集を受け取った格好のままの、その腕をぐいっと引き寄せる。
そして、
「一緒にいるんだから、もっと違うこと、しよ?」
にこっと笑って、ゆっくり顔を近づけた。