嘘と秘密と僕らの関係
「朔ちゃん、好きぃ」
そう言いながら、猫みたいにすり寄ってくるひなた。
その小さな身体を抱きとめれば、自然と背中に回される細い腕。
どこにそんな力があるんだってくらいに強く抱きしめられる。
……結局、こうなったか。
まぁ、俺も健全な男子高生だしな。
そもそも、“襲ってきた”のはひなたのほうだし。
いつものこと、だ。
ひとり勝手に納得して、
俺はゆっくり瞼を閉じた。
ひなたの部屋。
甘い香りのベットの中で、
甘い余韻に包まれて、
まだ熱の冷めきっていないひなたを抱きしめる。
火照った躰も、
なめらかな肌の感触も、
その存在自体が、すっかり俺の身体に馴染んでしまっている。
こんな状況が当たり前になるくらいに、
俺たちはもうずっと、
一番近くにいたんだから。
「朔ちゃん…」
ひなたの口から漏れるのは、甘い吐息と俺を呼ぶ声。
「……大好き。」
そして、甘い言葉。