嘘と秘密と僕らの関係
痛いくらいの真剣な想い。
「……ダメ?」
黙りこくる俺を、泣きそうな顔で見つめるひなた。
予想外の出来事が、俺の中の“予想外”の気持ちを引き出してしまった。
「……いいよ。」
この日から、
俺とひなたの関係は変わったんだ。
今まで以上に一緒にいるようになって、相変わらずひなたのワガママに振り回されて……
だけど、
手をつないだり、デートしたりキスしたり。
ちゃんと“恋人同士”の時間も積み重ねて……
高校生になる頃には、普通に身体を重ねるようにもなった。
時々ケンカをしつつも、概ね順調なふたりの関係。
端から見れば、何の問題もないふたり。
ただ一つを除いては……
つき合う時、俺はひとつだけ条件を出した。
「郁には絶対に内緒」
あいつには、まだ言えない。
だから、
あいつの前では、俺たちは“無関係”なフリを装う。