嘘と秘密と僕らの関係
ひなたへの気持ちが何なのか、未だにはっきりしない。
つき合っているのは、
“郁のことが嫌いだから”
なのか
“ひなたのことが好きだから”
なのか……
即答できない自分がいる。
だけど―――
「わっ。なに?」
ひなたの身体を引き離して、そのまま胸元に顔を近づけた。
「朔ちゃん??」
戸惑う声を無視して、俺は続ける。
柔らかい胸に熱い唇を押し付けて……
“マーキング”完了。
「…これで、いいか」
しっかりついた紅い“印”を指でなぞってから、もとの位置に戻って仰向けに寝転がる。
……何やってんだろ?俺。
こんなことしなくても、絶対に大丈夫なのに。
あの郁に手を出す度胸なんてあるはずがない。
それは俺が一番よくわかっている。
なのに、やっぱりどこか落ち着かないのは……
「ねぇ朔ちゃん、これって…」
もやもやしたまま目を閉じた俺にひなたが弾んだような声を上げた。
「もしかして、ヤキモチ?独占欲?」