負けたくない。
「っ・・・」

何か言い返したい、けど口が回らない。
私はその場で脱力した。


最悪だ。

だから逃げればよかったんだ。
こんなことになるなら。
予想できたはずなのに。

ホント、なんで逃げなかったんだよ。
後悔が頭の中でぐるぐる回る。

そして、
相手が余裕なのって、


ものすごく悔しい――・・・


美形なんて・・・前言撤回。

「・・・くそぅ」
やっと回り始めた口を賢明に動かして呟いた。
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