負けたくない。
「やっぱり美都は面白いや」
「それ、褒め言葉じゃないよね」
私は朔に突っ込んだ。
朔は微笑んで、私を見た。
「美都、私もう帰るね」
よく考えれば、今は放課後だ。
もう皆、帰り始めている。
朔は家が遠い。
方向が真逆のために一緒に帰れない。
「そ、か。うん、また明日ね」
私は笑って手を振った。
朔はそれに答えるように手を振った。
昇降口に行くときに保健室を通るのが難点だな。この学校は。
「早く通り過ぎよっ」
私は足早に保健室を通り過ぎようとした。
走っていると、人だかりが見えた。
めちゃくちゃ騒ぎ立てている。
なんの人だかりだろう・・・
私は不審に思って近づいた。