負けたくない。

「やっぱり美都は面白いや」
「それ、褒め言葉じゃないよね」


私は朔に突っ込んだ。

朔は微笑んで、私を見た。



「美都、私もう帰るね」


よく考えれば、今は放課後だ。

もう皆、帰り始めている。



朔は家が遠い。

方向が真逆のために一緒に帰れない。
「そ、か。うん、また明日ね」


私は笑って手を振った。

朔はそれに答えるように手を振った。



昇降口に行くときに保健室を通るのが難点だな。この学校は。


「早く通り過ぎよっ」


私は足早に保健室を通り過ぎようとした。

走っていると、人だかりが見えた。

めちゃくちゃ騒ぎ立てている。



なんの人だかりだろう・・・

私は不審に思って近づいた。
< 22 / 33 >

この作品をシェア

pagetop