王子とカメ子



“お弁当を持ってげた箱集合!”



お昼休み
優羽の携帯の画面に映し出されるメッセージ。


「…だってさ。
ごめん、私今から陸上部の昼練なんだ。一緒にげた箱までは行けるけど…」


「あ、うん。ありがとう。」



…緊張しちゃうよ。

お弁当と王子のパーカーを持ってげた箱へ向かう。


王子、昨日の朝みたいに女の子達に囲まれてたらどうしよう。


急に会いたいとか言ってうざいって思われてないかな…。







「優羽チャン!!瑠衣チャン!!」


そこには

ニコニコの幸さん



のみ。






やっぱり、





王子は忙しいんだ。




幸さんにパーカー渡してさっさと帰ろ…。






「幸先輩!!お久しぶりです!何で陸上やってないんスかぁ?」

「もぅ帰宅部でいっかなって思っちゃったんだもん。」





優羽と幸さんが楽しそうに話してる横でどんどん私の気分は下がる。











「はいっ」


優羽が行っちゃった後
幸先輩がメロンパンとカフェオレと大きなキーホルダーが付いた鍵を渡してきた。



「???」


「その鍵、昨日の屋上の鍵なんだ。」


「……?」


「行けば会えるよ。
俺、焼きそばパン買ってくるから先に行ってて?」


「は、はい。」






会えるよ って、

王子に………?






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