可愛いって得じゃない!?

ガシャーン


お猪口が割れた

すぐさま叔父さんが駆けつけてくれた

お客に謝る叔父さん。

それから俺に酒を取ってこいと言った

俺は乱れた服もそのままに階段を使って下に降りた。

途中、廊下で叔父さんが一生懸命謝っているのを聞いて悲しかった。

アイツが俺の太ももを撫でた感触が…

怖かった





半ば放心状態で俺は階段を降りていたすぐしたから色んな客の騒ぎ声が聞こえた

その中に一際目立つ声があった

「触らないで下さい!!」

ドスのきいた低い声で女は言った

すると俺と目があった

俺は首を傾げた

あんな女、知らない。でも向こうは知ってる感じだった。

「おい男女、お前の相手は上にいるだろ！どぅした？珍しく下に降りて来やがって」

「構わないでおいてやんなよ雷～。ほら飲んだ飲んだ」

叔母さんが助けてくれた。俺は叔母さんに一礼すると蔵に行った。

「酒～酒、酒。」

独り言を言いながら暗い蔵の中をウロウロしていた俺。夜だし冷えてきた。何より月明かりが頼りで足場が悪い

「あった」

叔父さんが良くお客さんに出すやつ。早速用事を済ませた俺は蔵から出た。

そこには、

さっきの女の子が立ってた

俺は無視して行こうとした。叔父さんが待ってる

「あの…」

スタスタと彼女は近づいてきて

「これ、叔母さんが持ってけって…」

するめを差し出した。するめは焼かれてうまそうなにおいを漂わせている

「サンキュー」

俺は皿を受け取ってその場を後にした。