春の旋律
自主練習
始業式が終わった、放課後。
私は、音楽の先生のところに行った。
「先生……」
「はい?何ですか」
「あの……曲名が、わからないんですけど……」
私は、昨日弾いてもらった曲を口ずさんだ。
「この曲の楽譜、持っていらっしゃいますか?」
「ええ、持ってるわ」
「コピーさせてもらえませんか?」
「うん、それは良いけど……どうしたの?いきなり」
「この曲を、大事な人に、聞かせてあげたいんです。」
「あらあら」
先生はふふふと笑った。
「それは素敵ね。良かったら教えてあげるわ」
「ほ、ほんとですか!?ありがとうございます!!」
その日から、私は毎日放課後、音楽室のピアノで練習をした。