春の旋律
「………休憩しましょうか」
「は……はい……。」
疲れた……。こ、こんなに集中したの久しぶり…。
「肩が凝りました……」
「うーん、肩に力が入り過ぎてるんですよ。もっと力抜いて」
柏木さんが私の肩をぎゅうぎゅう揉んできた。
「ひゃ……こそばいれす」
「あ、ごめん!力加減がわかんなくて……」
柏木さんがパッと手を離す。
顔を見合せてふわりと笑う。
柏木さんの目が、線になる。
大学を出たばかりで、まだ22歳なんですと言う柏木さんだけど、柏木さんは十分大人っぽい。
「柏木先生は癒し系ですね」
「そんなこと言われると、照れます」
「先生って呼んで良いですか」
「それは、嬉しいですね」
先生は顔を赤くして、照れくさそうに笑った。