遥か彼方の空
「しばらくは上の連中に見つからずに過ごす事ができましたが、やはり見つかってしまいました。

そして、連中から逃げる最中に此方へ来てしまったんです。怜鬼が私を逃がす時に、力を使ったから…」

そこまで一気に話すと、刹那は不覚にも涙が込み上げてきた。

ここで泣いたらダメだ!
今まで堪えてきたのに…
こんなの私じゃない…!!

しかし、その思いとは裏腹に涙が溢れだした。

今までの明るい態度は辛さを隠すため―しかし、彼等に全てを話した刹那には、もうそんな意地は張れなかった。

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