遥か彼方の空
第三章
刹那が壬生浪士組に来て、早くも二週間がたった。

(暇だなぁ~……。
なんか面白い事ないかなぁ~……)

とうとう痺れを切らした刹那は土方の部屋に向かった。

ガラッ!

「土方~♪なんか面白い事ない~?」

その声を聞いた瞬間、土方はビクッとした。

(なんでコイツがここに来るんだよ!)

土方の脳裏には、この間、刹那にやられた自分が浮かんでいた。

(せっかくコイツを避けてたのに、コイツから来やがった!)

土方が背中に冷たい汗をかいているのにも関わらず、刹那は相変わらず……

「ねぇ、土方ってばぁ~……」

と、駄々をこねる子供のようにずっと話しかけている。

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