遥か彼方の空
「当たり前でしょう?私が気づかないわけないじゃない!」

聞き捨てならない、というようにムッとしながら言葉を返した刹那に、沖田は再び苦笑してしまう。

(刹那に気づかれないまま屯所に帰って、後で始末しようと思ってましたけど……どうやら無理みたいですね……」

沖田は、はぁ~と大きなため息をつくと

「刹那はここで待ってて下さい。僕が始末してきますから」

と言った。

しかし、刹那は

「え~………ヤダ」

と即答した。

「……刹那を傷つけるわけにはいきません!第一、あなたは刀を持っていないじゃないですか!?」

必死に説得する沖田に

「だぁ~いじょうぶだって!!むしろ傷つくのは向こうだから♪」

刹那はそう言ってフッと笑った。

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