空の向こう側
立ち上がって、歩き出そうとした瞬間
腰に回された手。
端から見たら、抱き合っているような見えるだろう。
「…亜紀、止めろって…ーーー?」
よく聞いたら
何か嗚咽が聞こえる。
もしかして、泣いてる…?
「亜紀、何で泣いて「私、このままじゃ鵜飼さんと結婚しなきゃいけないの…。」
「!?」俺の頭が真っ白になる。
鵜飼
その名前に、良い思い出なんてない。
「親達が勝手に決めて…私は鵜飼さんの婚約者にされたの。
…お願い、夏。
助けてーーー」