空の向こう側
「夏、今日は家に帰って来るか?」
「いや、明日朝一の講義だからもう帰るよ。
今からなら間に合うと思うし。」
親父達は悲しそうな顔をするが、実際明日もサボれば本気で命が危ない
只でさえ今日の無断欠席で何されるか分からないのに…
「夏…本当に、ありがとう。」
亜紀は笑顔でそう言った。
俺は亜紀の方に振り返って
亜紀の頭を撫でる。
「お前に好きな人が出来たら、ちゃんとソイツと幸せになれよな。」
俺の言葉に亜紀は小さく頷いた。
「じゃ、行ってくる。」
実際間に合ったかギリギリ
だから俺はすぐに背を向け
走って村を出て行った。