空の向こう側
沙羅は俺の声に反応し、振り返る。
「な、つ…?」
涙を流しながら驚いた顔をしている沙羅を
俺は抱き締めた。
「沙羅、大丈夫か?」
「っ…夏、夏っ!! 」
泣きじゃくる沙羅の頭を撫でる。
良かった…
どうやら無事みたいだ
「沙羅、何でこんな所に?」
言ってから後悔した
嫌な予感がしたんだ
「…夏が来ないし、大学も休んだみたいだから、心配で…夏の家に行こうとしたの。
そしたら、出口が分からなくなって。」