空の向こう側
†Sara side†
「間違いありませんね。」
主治医がカルテを見ながら眼鏡をかけ直した。
少し言いずらそうに
言葉を詰まらせながら、主治医は続ける。
「記憶障害は、100%病気の発病によるものに間違いありません。
おそらく、これから少しずつ記憶を失っていくでしょう。」
意外だった
もっと、取り乱すと思っていたのに
凄く心は落ち着いていた
「記憶障害に伴い、運動機能も低下…特に神経系から来ると思われます。
そうすれば、自分で呼吸も難しくなるでしょう。」