空の向こう側
主治医はそう言って、部屋から出て行った。
「死ぬ…。」
ずっと昔から分かってた
未知の病で、治療法が無いと言われた時から
あぁ、いつか死んじゃうんだろうなって
だから、覚悟は出来てた筈なのに…
「何で…?」
何で、涙が出て来るの?
死ぬのなんて怖くない、そうでしょ?
ーーー沙羅っ!ーーー
「…あっ。」
浮かんできたのは、いつもの夏の顔。
会いたい
今、夏に会いたい
私は窓を見つめた。