空の向こう側
カツアゲ?
どこかで聞いたことのある単語に、私は首を傾げた。
「ったく、お前等やってる事変わらねーな。」
「はぁ?んだと!?」
ミシ、と何かの音と共に
男が痛がっていく。
「俺さ、お前等に構ってやれる気分じゃねぇから、さっさと失せろ。
じゃねぇと、あの時とは比べもんにならねぇぐらいボコボコにしちゃうかもな。」
「…!!」
男は舌打ちを吐いて、夏の腕を強引に振り払うと
仲間と一緒にどこかへ走っていった。
「はぁ…やっと行ったか。」
クルリと夏は漸く私の方に振り返る。
ずっと、ずっと会いたかった
「無事か?沙羅。」