空の向こう側

涙と共に




気持ちが止まらない





「夏に、会いたくて…。」



「は?」と目をパチクリさせる夏。



「どうしても、どうしても夏に会いたくて…夏の家に行こうとしたの。


けど…。」




その先は、言わなくても分かる




病気による、記憶障害





「良かった…やっと、会えた。」



夏に会えた




それだけで、私は幸せになれる



「夏…私…。」




溢れる




溢れて溢れ出して、歯止めがきかない




「夏が、好き。」





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