空の向こう側

漸く頭が動いて、沙羅を追おうとしたら



周りの機関の連中に止められた。




「待てよ、沙羅っ!!」



どれだけ叫んでも




沙羅は振り返ってはくれない。




「サヨナラって…サヨナラって何だよ!何とか言えっつーの!」



邪魔だ




皆、皆邪魔だ




コイツ等さえ居なければ…





ーーー夏が好きーーー




自分だけ言いたい事言って





自分だけ、気持ちを伝えて






「ふざけんなぁーー!」




どんなに叫んでも





沙羅がもう一度俺を見てくれる事はなかった。






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