空の向こう側

夏は私の言葉を遮った。




まるで、いつもと逆だ。





「俺達がこうして知り合ったのも、最初は沙羅の強引な要望からだったよな。」



…そうなのかな?



私はもう、何も覚えて無い




「俺は今までずっと、沙羅の要望に付き合ったつもり。なら、今度は俺の要望を聞いてくれるか?」



「…夏の?」



私は首を傾げた。




夏はフッと笑うと、私の髪をスルッと掴んで




「今から10時間、沙羅の時間を俺にくれ。」





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