空の向こう側

環が口を開く。



コイツは分かってたんだ




だから、今まで俺達を止めずに



時間まで、ここで待ってたんだ



「別れは、済みましたか?」



俺は沙羅の方を見る。


沙羅は俺の視線に気付いたのか、ニコッと笑った。



「…あぁ。」



覚悟は出来た




最初から、決まっていた




「では、姫様。」



環が促すと、沙羅は城に向かって歩き出す。



だけど、手は繋がれたまま。



「夏。」




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