空の向こう側
部屋と表すには広過ぎる空間
豪華な家具が目立つわりに、何一つ無駄な物は置かれていない
中央にあるベッドに、横たわる沙羅の姿があった。
俺は真っ直ぐにベッドに向かい
沙羅の元に近付く。
「…久し振り。」
返答なんてもう返って来ない。
それぐらい、分かってる
眠っている沙羅の顔は、苦しみなんて微塵も写さず
幸せそうに見えた
俺は沙羅の側に腰掛けて
レコーダーのスイッチを押した。
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