空の向こう側
『久し振り、夏。
何もかも忘れて、喋れなくなるその前に
伝えたい事を言うね。』
俺は今までの事を頭に思い浮かべながら
レコーダーに耳を傾けた。
『今ではもう微かにしか覚えて無いけど、私は生きる事に飽きてた。
何も出来ない、毎日が同じ日々が嫌だったんだろうね。
私の唯一の生きがいは、森の中で踊ること。そこで、私は自分が生きた証が欲しかったんだ。
でも、それすらも意味が無いって分かった時…夏に出会った。』