空の向こう側
「ん。」
岸に上がると、俺は置いていたブレザーを沙希に渡した。
「…何?」
沙希は首を傾げた。
「びしょびしょだろ?風邪引くから、これかけとけよ。」
暑くなってきても、まだまだ夜は寒い
濡れたままだったら風邪引くからな
「夏だって同じだよ。私は大丈夫だから夏着て。」
「俺は男だからいいんだよ。いいから着とけ。」
俺は半端強引に沙希の肩にかけた。
沙希はもう何も言わず、俺達はいつもの場所に座った。