空の向こう側

大家さんがニヤニヤしながら小さめの声で聞いてくる。


「違います。彼女じゃないですよ。」

「嘘吐け。じゃあ何で二人共濡れてるのさ?」


うっ…鋭いな、このババァ


「帰り道、偶々水を被っちまって。で、彼女も偶々被害に合ったから、シャワーだけでも貸して上げようと…。」


俺の必死の説明にまるで我が子を見るように微笑む大家


コイツ、俺の話聞いてねぇ!!



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