傷だらけのヴィーナス
*恋のライバル
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「……はぁ?」
月曜のお昼休み、久しぶりに私は小林君とお昼を食べていた。
そこで私は、間部主任との間の出来事をかいつまんで話をしたのだ。
「なにそれ。主任ってずいぶん軽い感じなんだな」
呆れたようにそう言う小林君に、私はなにも言えなかった。
確かにそう言ってしまえばそうなんだけど、でも、私はなぜかそう感じたことはなかった。
でも、それをうまく伝えられるか自信もない。
「まぁ、勝手にすれば?…てか俺とこんなやってメシ食ってたら勘違いされるんじゃねぇの?」
「勘違い?」
「浮気」
小林君の言葉が妙に刺々しい。
私たちは、これ以降話をすることもなく店をあとにした。