きいろい青空【完】
「んじゃ、頑張ってね~」
花恋は、意地悪に笑うと買ってきた物を俺に突き出した。
そして背を向けて歩き出した花恋。
俺は、立ち上がり受け取ったコンビニの袋の中をガサガサする。
中にはエクレアとサイダーが入っている。
どれも俺の好きなものだ。
言ってないのにわかってくれている…
嬉しいと感じてしまう。
それと…
コンタクトが入っている。
なんで?
でも、分かってくれているんだなと思って。
やばい…
また好きがつのった----……。
花恋を追いかけたい。
今すぐに。
だんだん遠のく花恋の後ろ姿。
背中を愛しく想う…
花恋。
今行くから…
走り出そうとした瞬間、瞳に腕をつかまれた。
「行っちゃうの?花恋ちゃんを追いかけるの?」
「…っ!」
これだと追いかけられない!
いつもいつも俺は花恋を追いかけることができない。
追いかけたら君はどんな顔を見せてくれるの?
ねぇ、花恋……
「直輝くん。花恋ちゃんが好きなの?」
「え?」
瞳の言葉で我にかえる。
というか止まってしまった。