きいろい青空【完】
「花恋ちゃんて、直輝くんが好きなんじゃないんですか?」
うちはその言葉を聞いて立ち止まった。
こいつはいきなり、何を言い出すんだ?
「幼なじみだし好きになっちゃいますよねっ!?でも、颯さんは…?もしかして…あ、二股ですか??」
なんなんだよ!!!
コイツ。
超うぜぇーーー。
うちは振り返り、瞳の胸ぐらをつかんだ。
「なんですかっ?離してください」
「うちが好きなのは颯だけなんだよ!!」
「じゃあ、良かったです。私あきらめませんから。彼女がいようと、直輝くんが好きなんで」
変に笑顔で話す瞳によけい、ムカツク。
「良かったって、なんでだよ!?」
「袋に入っていたコンタクト。あれは、なんだったんですか?」
手を離した。
「あれは…別に……」
考えてしまう。
うちの気持ちに、瞳は気付いたのかなって…
好きという気持ちじゃなくて。
変な気持ち。
「コンタクト1つで、花恋ちゃんの気持ちわかりました」
笑顔で言う瞳。
返す言葉が見つからない。
「じゃあ、早く行きましょう」
瞳に手をつかまれ走り出した。
なぜだか気が抜けて抵抗とか出来なくて…
ただ連れられるままに走る。
走った先は、あのコンビニ。
ベンチに直輝が座っている。
うずくまって頭を抱えている。
悩んでいるのかな…