きいろい青空【完】
「あんまり、いじめないでやってくれねぇ?」
颯さんの言っている事がよくわからなかった。
「…誰を?」
次の颯さんの言葉に驚きを隠せなくなる。
「……瞳を」
真っ直ぐ俺の目を見て、言った。
“瞳”と。
颯さんの言葉を理解できないでいる。
いじめないでやってくれ…?
瞳を……?
「なんでですか?」
「俺の……‘妹’なんだよ」
余計わからない。
そんなことって……
びっくりして立ち尽くしていた。
衝撃的な事実。
「腹違いの妹なんだ。瞳は、俺が兄貴だって知らねーから言うなよ?」
「はー…」
「びっくりしすぎだろ!?」
「びっくりしますよ!いきなり言われて…」
「悪ぃ悪ぃ。あっ、お前。告られたんだよな?」
「…はい」
噂まわるの早っっ!!
「じゃあ、あんまいじめんなよ。花恋も今日のことあったし、翼もしばきそうだしな」
「ちょっと待ってください。花恋は悪くないですよ?瞳がケンカを売ったんですよ?もっと彼氏を大事にしろって」
「でも、手出したんだろ?」
颯さんは、何か勘違いをしている…
花恋は悪くないのに。
「そうですけど…」
「じゃあ花恋が……」
なんでわかってくれないんだろう。
花恋は悪くないって…
自分の彼女なんだろ?
「なんで、瞳をかばうんですかっ!?」
怒声が混じる。