きいろい青空【完】
花恋*
普通に学校へ行く。
普通に教室に入り、普通にあいさつをして。
何もかもがいつもと変わりなかった。
「おはよー!」
と言いながら教室に入ると
「はよー、花恋!!」
と声が返って来る。
やっぱり、みんな普通だった。
それが嬉しかったりもする。
きのう、あんな事があったから軽蔑されると思っていた。
「私は、花恋が悪いなんて思わないよ?」
「あたしもー!!花恋の味方だよ」
みんな、ぞろぞろとうちの机の回りに集まってきた。
「ありがとう!」
変なことに絆が生まれているような気がして、なんかウケる。
みんなイイ奴らばっかだなぁ~!!
本当に。
「おはよ。朝自習だぞ、席つけーー」
先生も普通に教室に入ってきた。
何事も無いみたいにしているけど、帰りにみっちり怒られるだろう…
きのう話が途中だし、学校脱走したし。
ほんと、めんどくさ……
「今日の欠席は…直輝さんですね。保健係、健康観察簿に熱と書いておいて」
と、担任は保健係に伝えた。
直輝が?
めずらしいな…
直輝の机に目をやると、ぽっかりと空いていた。
ただじっと空いている机を見つめた。