きいろい青空【完】
うっすらとチャイムの音が聞こえる。
そのチャイムの音で目覚め、怠そうに席を立つ。
「きょうつけ、礼」
「ありがとうございましたー」
学級委員が号令をかけ授業は終わったみたい。
嫌いな国語はずっと寝て終わりになった。
あとで美久にノート借りよっと。
「だーれだっ?」
教科書を机の中にしまっていたら、後ろから手で目隠しされた。
「え~、わかんなぁ~い」
わざとわからないと言ってみた。
「じゃあ、ヒント。花恋の大好きな人っ!」
「ぶっっ!!」
思わず吹き出してしまった。
おもしろすぎて…!!
「それ自分で言う?自信満々に」
「え…ひど。じゃあ、嫌い?」
急に子供みたいな口調になりかわいい。
「答え。うちの大好きなひと!!」
「んん~…まぁいっか。せいかぁ~い」
手の目隠しが外され、そこにいたのはやっぱり、颯。
「わかるっつーの」
そう言うと口をとがらせる颯。
「そうすか…?なぁ、俺と楽しいことしない??」
「なに?楽しいことって」
「まぁーまぁー!!」
変ににやけている颯。
なんか、怪しい…
「なに??なんなの!?教えてよ」
「まぁ、ついてきてくださいよ。お姫様っ」
……お姫様???
ますます怪しいじゃん!!
颯はうちの手をつかみ、歩き出した。