きいろい青空【完】
もう、キスだけじゃ足りない。
もっと近くにいきたい。
もっと触れていたい。
本当に本当に大好きだから----。
「花恋」
そのうちの名前を呼ぶ声が好き。
うちの名前を呼んだ時の顔が好き。
「好きだっ…」
ほんとうに大好き。
颯は耳をかじった。
「くすぐったいぃ…」
そう言ったら、颯は意地悪そうに笑った。
「いぃ…?」
颯はうちのシャツをつかみ訊いてきた。
「いいよ…」
恥ずかしながら答える。
どんどんボタンを外していく颯の細い綺麗な指。
「や、やっぱダメ!!恥ずかしすぎるよ……」
うちは起きあがり、手で胸を隠す。
心臓がおかしくなっている。
ドキドキドキ-----…心臓うるさいっ…!
「それじゃあ、出来ないじゃん。てか、俺…」
そう呟きながら、ゆっくりと自分のシャツを脱ぐ颯。
「俺だって…恥ずかしんだからな!!」
目をそらし、照れながら言った颯。
顔が少しだけ赤く染まっている。
「ほら」
颯はうちの右手を取り、自分の胸に当てた。
あ…颯の心臓、ドキドキ言っている-----。
右手から伝わってくる颯の音。
うちと同じくらい速い。