きいろい青空【完】
直輝*
「よかったよー。一日で治って!」
朝の登校中、隣で翼が微笑んでくれている。
「うん、お見舞いありがとねっ!」
「当たり前だっつーの」
きのうの熱は丸一日寝ただけで治った。
「今日、瞳と話してくるからね」
「……う、うん!!がんばれぇ~直輝」
「ありがと」
少し心配そうな顔を見せた翼。
心配させちゃってる俺って…カッコ悪い。
ごめんね、翼。
朝の教室に入り、瞳を探す。
席に着いている瞳に近寄った。
…俺は、見てびっくりした。
瞳の頬には、痛々しい青いアザが残っている。
どれだけ花恋が怒ったのか一目でわかる。
「今日の昼休み。話があるんだけど…いい?」
「うん、私も話したいんだ。じゃあ、5階に行く」
「わかった。じゃあ、昼休みに」
それだけ伝えると、俺は自分の机に戻った。
瞳の話ってなんだ?
机にほうずりをつき考えたが、全然わからない。
「最近、花恋としゃべってるとこ見ねぇ~な」
英斗が今来たらしく、机にドサっとカバンを置いた。
俺は体を後ろに向け英斗と話す。
「別にそういうわけじゃないんだけど…いいんじゃん?これで」
「ふぅーーん」
不満そうな顔して、睨んできた。
「翼がいるんだし、逆にいいんだよ!!」
「あっそ」
英斗に言われて初めて気付いた。
花恋と話して無いってこと----
これが人を忘れるってことなのかな…?