きいろい青空【完】
テンションMAXの3人を見て、少しついていげない俺がいたけど…
本当はすごく、花火大会が楽しみだった。
駅に集合。
駅に向かう道を歩きながら、ケータイをポケットから取りだし時間を見た。
…って、30分も早く出てきちゃったし。
どんだけ楽しみだったんだよ、俺。
あれ?
駅の入り口にある噴水のところに座っている人がいた。
あれって…颯さんっ!??
自分の目を疑った。
その人は、いじっていたケータイから目を外し、俺の存在に気付いた。
「直輝ーーー!!」
太陽みたいな笑顔で手をぶんぶん振っている。
俺も振り返す。
やっぱり颯さんだった。
「早くないですか?30分も前だし」
「えっと~…、本当は1時間前ぐらいからいるんよ…」
颯さんは頭をかいて苦笑い。
「そんな早くから?」
悪いけど、颯さんが1番遅く来そうって思っていた。
だから、すごいびっくりだ。
「もう、待ちきれなくて!!花恋とのデート初なんよっ!あ、話変わるけど…。やっぱ俺は花恋が1番大事。瞳よりな?花恋に言うなよ。妹の事」
「わかってますよっ」
単純に嬉しかった。
花恋て言ってくれたこと。
「お待たせぇ〜〜!」
後ろから声がし、振り返る。
そこには、浴衣姿の花恋と翼がいた。
「おっっ!浴衣じゃん」
と、颯さんが言う。
「いいでしょ〜〜!!」
2人の声がハモる。
やばいやばいやばい!!
めっちゃ可愛い。
花恋が。
………じゃなくて、翼が。